Ziru Sirka's blog

相場技能の習得を目指した記録用です。

【読了】相場サイクルの基本

表題の本を読了しました。正直にいえば難しかったです。この本もまた折に触れて繰り返し読む必要がある本だと思いました。

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月足、折れ線、場帖の道具を用意していく過程で、ふとしたきっかけや気付きが引き金になって、この本に再び戻ってくる気配が間違いなく感じられます。
印象的だった箇所としては、「優越サイクル」についての説明が非常に納得感がありました。猫次郎先生の基本教材に含まれる動画「酒田の基本買い戦略」は、この「優越サイクル」に基づく強気相場に乗った玉操作が説明されていると感じました。

「もし、サイクルの開始時と終了時の間に安値が出現すれば、そのサイクルは優越サイクルではない。優越サイクルではないとすれば、そのサイクルはトレーディングには役に立たない。」というメリマンの言葉を胸に刻み込んでおこうと思いました。

また、「相場のサイクルは安値から安値の長さで計測される。高値から高値の長さを計測するのは一般的ではない。」という説明も、言われてみれば確かにそうなのですが、無駄のないストレートな表現に触れて、目からうろこのようなものが落ちた気がしました。数年間にわたる長期的な底打ちが終了するときには、いくつかの典型的な値動きのパターンが見られることを考えると、市場参加者の欲望と思惑が過熱して神経質に値が揺れ動く天井を起点にするのは、確かに困難を伴うだろうと容易に推測できました。
隔週で場帖の当月高値と安値に印を付けるのは、小さめのサイクルにおける天井と底、そしてその周期を捕捉するためなのだろうと感じました。
エリオット波動に紐づけたサイクル理論の展開、強気相場と弱気相場それぞれにおけるガイドライン、押しや戻しの説明に出てくる特徴的なパーセンテージや継続期間を知ると、ここ一両日に起きた押しも冷静な気持ちで値動きを観察することができるようになりました。
画像のとおり決して大部の本ではなく、むしろ小著に類すると思うのですが、非常に密度が濃く参考になる内容盛りだくさんの一冊でした。